東京都多摩地区、神奈川県南部を中心に一般住宅の外壁塗装、塗り替え、リフォーム工事を施工しております、有限会社不二塗装です。
さて、前回まで三回に渡って外壁の塗替の一例について写真を交えてご紹介してきました。
その中で「幕板は別の塗装仕様です」「飾り枠に関してはまた後日」と書いて終わらせてしまいましたが・・
やはり一緒に写真に写っているものなので、そのままお話をしないというのもちょっと不親切というか、続けて書かないと話の流れが見えなくなってしまうかもしれません。
というわけで引き続き同じ現場の写真を使って工事の流れを解説いたします。
ここに写っている幕板(壁の上下を境界のように分けている横長の板)や窓の外側を覆う形で取り付けてある板状の飾り枠。
これはコンクリートを形成して作られた一体型の物ではなく、後から取り付けられた窯業系の物でした。
これは、近頃よく見かけるサイディング貼り仕上げの建物ではよく使われている材料です。
(サイディング自体も七割程の建物が窯業系です)
幕板意外にも、屋根すぐ下の軒先に取り付けられる破風板、鼻隠しがこのように塗装仕上げになっている建物をよく見かけます。
以前の住宅ですと「破風板」や「鼻隠し」には木材が使われていましたが、
最近の住宅では耐火性に優れたこのような素材が使われています。
「鼻隠し」というのは屋根から落ちる雨水を受ける横樋が取り付けられている板のこと。
「破風板」というのは同じように屋根のすぐ下にあるけれども雨樋のない部分のことをいいますが、実際現場ではここまで正しい分け方をせず、両方をひっくるめて「破風板」と呼んでいたりします。
窯業系(ようぎょうけい)とは粘土、ケイ砂、石灰岩などから陶磁器、瓦、ガラス、セメントなど、非金属原料を高熱処理して作られた素材のことをいいます。
製作時に工業用の窯(かま)を使うのでそう呼ばれているらしいんですが、正直初めて見たときこの漢字、僕は読めませんでした(^_^;)
これらの「鼻隠し」「破風板」「幕板」「飾り枠」は、同一の建物の場合ほぼ同じ素材で出来ていることが多いようです。
ご依頼を受けて見積をさせていただくとき、お客様が気になさっている塗膜の剥がれは、そのほとんどが下地のパテ処理部分に現れていることが多いです。パテの経年劣化によりパテの下地ごと塗膜がはじけるように剥がれています。
この建物の場合も同じで、壁面に比べて「幕板」「飾り枠」に顕著に出てしまった例といえます。
このような場合は、なぜパテが劣化したのかも考えて対処し、同様の劣化、塗膜剥離が起こらないよう注意しなければなりません。
事前に観察を行うと、この幕板、飾り枠の取付部分上部とモルタル壁面の取り合い部分の隙間や、上部から雨水が浸入したのでは
ないかと思われる部分が有りましたので、この部分に関しては全ての幕板、飾り枠にコーキング処理を施し、更に弾性塗膜部分を幕板側にかぶせるように見切る形で施工する計画を立てました。
何はともあれ、まずは「高圧水洗浄」。
それから脆弱な旧塗膜を撤去する「ケレン作業」
今回は隠れた塗膜の浮きも見逃さないようにベビーサンダーによる全面ケレン作業も行いました。
その結果、やはり塗膜の剝離が起きている部分はパテ処理をした部分が中心で、それ以外の部分はしっかりと密着している事が分かりました。
窓枠部分角にある穴は構造上のボルト取付部分で清掃を行ってみると、この穴の奥にボルトの頭が存在することが分かりました。