悩み多きトタン屋根

外壁塗装をはじめ、屋根、内装と幅広く対応しているのはもちろん、足場や防水工事にいたるまで自社で施工を承っております不二塗装です。

最近の関東あたりの新築物件ではあまり見かけなくなったトタン屋根、たまに見かけるのは「ガルバニュウム鋼板」という素材で今までのものとは違う種類でして、これはまたお話が別となります。

施工前の様子

今回取り上げたいのはごく普通のトタン屋根。カラートタンという製品。

築三十年ぐらいの建物で、比較的お手入れもなさっている屋根の塗料が、

 

所々パリパリと皮がはじけるように剥けているケースが最近多いのです。

特徴としては剥けた部分は必ずトタンの金属面が見えている事。そしてそのトタンはまだ綺麗でキラキラしているというものです。

このような剥がれ方を我々は「亜鉛離れ」と呼んでいます。

鋼板にメッキした亜鉛の一部が経年劣化し粉状になって鋼板から離れはじめ、上に乗っている塗料膜ごと一気に剥がれ落ちる。その為、剥がれた部分は必ずメッキ面が見えているのです。

傾向としてよく日の当たる部分によくみられるので、日光による加熱や熱膨張も関係しているのでしょうがあまり難しい事はよく分からないのでご容赦願います。

塗膜は剥がれていても下地はキラキラ

このような屋根の浮き部分を撤去し、その部分にメッキ面に対する密着率の高い2液性エポキシ塗料などを拾い塗りした後再塗装しても、必ずといっていい程、「また剥けた」と連絡が入ります。一年、早ければ半年ぐらいでしょうか?

確認に行くと、前回旧塗膜を剥いた部分はしっかりと付いているのですが、その隣の「塗替時にはしっかり付いていると確認した」部分が剥けているのです。

これをまた補修すると、半年後にまた別の場所で発生・・つまり、一箇所で発生した「亜鉛離れ」はその屋根の同じ方向を向いた全ての面積で多少の時期の差はあれ発生するのです。

もちろん最初からこのことを知っていたわけではなく、苦い経験を重ね原因を調べて「この剥け方は亜鉛離れだ」と判断できるようになっていったのです。

お客様に呼ばれ御見積をさせていただくとき、この「亜鉛離れ」の屋根に出くわした場合は必ず最初によく説明、御相談を重ねます。

そして対処方法ですが、一番よいのがトタンの葺き替え。

そしてもう一つは全ての塗料を人力落で落としてからメッキ面用の塗料を塗る。

正直これは旧塗膜撤去にかかった職人の手間代をみていただくことになるので高額となります。

ケレン完了状況

トタン鋼板自体の厚みが少ないので機械による力業だけで塗膜を取ろうとすると屋根に穴があいてしまいます。

根気よく丁寧に機械とスクレイパーで剥がしていかねばならないからです。

また、凸部分の「瓦桟」という部分の塗料はその形状のために完全撤去をするわけには参りません。

写真のような状態まで撤去すれば平面部分に関しては再剥離することがなくなります。全体の中で占有率の低い凸部分のメンテのみ行っていけばよくなりますので費用も最小限度に抑えることが出来ます。

あとの方法は短期間で部分的に剥けるのを承知で塗装し、こまめに期間をおいて剥離部分をタッチアップしていくというもの・・しかし、これも二回、三回とメンテにうかがうとお客様も際限のない補修に嫌気が差して別の方法をとることが多いです。

実はトタン屋根以外にも似たような事例があって、これまた悩み多き事があるのですがそのお話はまた後日・・・


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