北の大地より 2

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、調布市、小平市、日野市など東京多摩地域を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

「そういえば、最後まで残ってたのが北海道でしたね?蒸気機関車」
「1975年まで運行してたよ(^^)」
「はあ、小学校の三年生ぐらいですかね~僕は(^_^;) 女房は北海道だから乗ったことがあるかも・・・」

ここでちょっと計算が合わないと思う方もいるかもしれませんが、当時は私も若かった。

「見習いから機関助手。早く機関士になりたくてね~勉強したなぁ。訓練も人一倍やった。おかげで人並み以上に早く機関士になれたんだよ(^.^)」
「努力のたまものですね」
「そうなんだけど(=_=)」
「そうなんだけど?」
「機関車っていうのはね、機関士と機関助手の「あ・うん」の呼吸が大切でね」
「あ・うん・・・ですか」
「そして機関車との協力で成り立つのよ。つまり整備もかねた蒸気機関」
「三位一体って奴ですか(^^)」
「そうそう、均等に炉の床面、火室に石炭を配るように投げ入れる。場所の順番も決まってるしペース配分も決まってるのさ」
「なるほど(^_^;)」
「投炭作業っていってなぁ、ちゃんと訓練場があって、規定通り時間はかってさ、穴の向こう側の床に石炭を放り込む。みんなにジロジロ見られながら、そりゃぁ厳しいものだよ」
「シミュレーターがあるんだ・・・」
「ん?ナニ(^_^;)? なんにせよそういう練習場があって練習させられたんだ最後に高さ測ったりして・・・しんどかったなぁ」

なるほど、石炭が重なってるとうまく燃えないのか。
お茶をすすりながら管理人さんは懐かしそうに笑った。

「石炭をガンガン焚けば焚くほど蒸気が上がる」
「その蒸気でピストンが動いて車輪が回るんですね」
「そうそう。で、坂にさしかかるとピッチが上がる。ポオーって蒸気をあげて、ガッツン!ガッツン!!」
「登りますか(^o^)」
「登らない(-_-)」
「へ?」
「先輩が石炭を釜に入れてくれないんだ」
「なんでまた(^_^;) あうんの呼吸じゃないんですか?」
「あ~、う~ってぐらいかな・・・」
「(?_?)」
「釜焚いてるのは、俺の先輩だったんだわ」
「はぁ~(‘_’)」
「先輩にしてみれば、自分より後から入った奴に使われるのが面白くないんだな・・・」
「でも、石炭入れなきゃ火が消えちゃうでしょ?」
「いやいや、それなりには入れてくれるんだけどね、お願いすれば(^_-)」
「あー・・・それはツライですね(T_T)」
「俺はもうイヤんなっちゃって。内地・・・本州に転属願い出したのよ」
「思い切りましたね~人間関係を一新ですか・・・」
「それも有るけど、こっちじゃ電気かディーゼルだから(^^)」
「あ!そうか!」
「『運転士の操作どうりちゃんと動いてくれる』これが嬉しかったねー」
「SLってロマンがあるけど・・・実際はしんどいんだなぁ」
「そうよ、甘くないのよ~(=_=)」

さてさてすっかり長居をしてしまったと仕事に戻ることを告げると、管理人さんは、またおいでと優しく言った。

「しかし、残念ですね~・・・がんばってせっかくSL機関士になれたのに」

SLの機関部

「まぁね(^^)でも、ちゃんと役に立ってるよ」
「そうでしょうね、何ごとも経験。無駄なことはないって言いますもんね」
「いやいや、ここでお茶飲んでいるのも、国鉄さんと、蒸気機関車のおかげさ」
「??」

オジサンの口元がほころんだ。

「SLって言うのはね、走るボイラーなんだよ(^^)」
「(^_-)?」
「国鉄で取ったのさ『1級ボイラー技士』
「あ!!(@_@)」
「だから、この年でもボイラー室の主なのさ(^_^)」

やっぱり、何ごとも経験。無駄なことはない。


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