冬の情景 最終回

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、八王子市、昭島市、国立市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

さてさて、雪の降りしきる八王子の丘に取り残されてしまった僕と相棒。
しかもこの時乗っていたトラックのタイヤはツルツル夏タイヤ。
どうひいき目に考えてもこの山道を下って帰ることはできそうにありません。
必死でチェーンを探す僕達。しかし荷台の隅々まで、運転席のシートの裏側まで探してもみつかりません。

「駄目だ (^_^;)」
「ないな・・・」

元々積んでいないのか、会社の倉庫の片隅にあるのか・・いずれにせよもうお手上げ状態。

「タイヤにカッターで溝掘ったらどうかな?」
「パンクするって (^_^;)」
「うーん (;_;)(/_;)」

全くもって打つ手無し・・万事休すかと思っていたところにこの一声!

「溝が掘れないんじゃさ、チェーンの代わりになる物を作ればいいんじゃない(^_-)?
「チェーンの替わりって言ってロープぐらいしかないじゃん。南京縛りでもする?」
「ウーン・・・鎖・・・金属。金属・・・あ(@_@)!
「何? ひらめいた?」
「あるじゃん! 金属! (^o^)ほらほら

先程からひっくり返していた荷台に飛びつく相棒

「これこれ!(~o~)」

シノ(十手)

抱え込んで抱きしめるように持って来たのは『足場用番線』
以前このブログにも書きましたが(昔の足場はかなりアブナイ 参照)当時は丸太で足場を組んでいた我が社。
丸太同士を縛っていたのはなまし番線と呼ばれる比較的柔らかな3mmほどの太い針金でした。
このトラックは足場をかけるときその「三間丸太」を積んで運ぶのが主な任務だったので『足場用番線』は箱で積んだままになっていたのです。

「十手(シノという番線を縛る道具の俗称)もある!」
「(^^;)番線でチェーン作るの?」
「タイヤに直接縛れば良いじゃん(^^)」
「あ(*_*)! 天才現る!」

スチールホイールには10個~12個の穴があいています。その穴に番線を通してタイヤを横切るように真横に縛り付ける。これを等間隔で一個につき五箇所ほど行うとかなり良いカンジになったではありませんか!

「(*_*)(*_*)お~スバラシイ!」
「早速チャレンジ!(~o~)」
「おうおう(^o^)」

足場用番線

ぶるるん・・エンジンをかけツルツルタイヤが転がりはじめる。
 カチッ!カチ!カチ!カ!カ!・・・
金属がアスファルトに食い付く音がするとオンボロトラックが梯子状の轍を残しながら動き出したではありませんか!

「(^O^)(^O^)バンザーイ!」
「慌てるな!慌てるな!」
「慎重に!慎重に!」

ここで焦って急ハンドル、急ブレーキ、急アクセルをかけてしまったら所詮は針金。あっさり切れてしまうかももしれません。
慎重に慎重に進みます。

「どうだ?」
「ウンウン。スリップしてる感じはないぞ!」
「よーし頼む、大通りまで持ってくれ・・・」

まさしく進化形

ジリジリと車を進めてバイパスまででてみると、そこにもうっすらと雪化粧が・・。
仕方なくそのまま走り続け、やっと見つけたカー用品店で、奇跡的に売れ残っていたタイヤチェーンを購入することができました。
ジャッキアップして番線を外すと、その太さは半分ぐらいにすり減っていましたっけ。

 

もうすっかり忘れてしまっていた出来事でしたが、最近になってネットで見かけた「緊急脱出用バンド」まさしくこれがあのときの番線の巻き方にそっくりだったので鮮やかに記憶がよみがえりました。
ウーン。かなり時代の先を行ってたんだなぁ・・・俺達。


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