昔の足場はかなりアブナイ(^_^; 3

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、八王子市、日野市、拝島市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

丸太足場のお話しがいくつか続きました。当時の足場はかなりアブナイところがあり、その分十二分に気を付けながら仕事をしていたものです。
よく「木登りは低いところにいるときの方が危険」といいますが、これは低いところにいるときこそ油断が生まれるからという事ですね。
気持ちの問題とは別に脚立から転げたり、それこそ腰の高さぐらいのところから落ちたときに不思議に大怪我が多いというのは経験から言っても真実だと思います。以前お話しした「東日本大震災」のその時、工事中の現場で親父が落ちた場所というのはたったの地上高90㎝。だからこそ油断して安全帯もしていないし、たまたま昇降に使っているその部分だけ手摺がなかったのです。これはあくまで個人的な見解なのですが、ある程度の高さがあると落ちるときもワンチャンスがあって途中で何かに掴まったり体をひねって受け身がとれます。ところが高さがないといきなりバタンと床にたたきつけられる形が多いのです。例えばちょっと面倒だからと一斗缶(石油缶)の上に乗っていてコケた時などに思いきり腰を打ったりするんですね。
ですから皆さんもほんの少しの高さだからと椅子などを代用して蛍光などを取り替えていることがあるかと思いますが充分気を付けて作業をなさってくださいね。出来ればホームセンターで販売されているアルミの脚立や踏み台などを一つ購入されることをお勧めいたします。思っている値段よりはるかに安い値段だったりしますし、何かと重宝すること請け合いですよ(^^)
話を戻しますと丸太足場の良くないところは足の置き場所が不安定である事。また、構造上途中からの張り出しが作りにくい事です。
パイプ足場やピケ足場ですとL字状に張り出させるブラケットを簡単かつ頑丈に設けることが出来ますが丸太足場の場合は丸太同士の組み合わせでこれを作らなければならないわけで、なかなか面倒です。真横に短い丸太を縛り付けたりしただけでは強度的に不十分。鉄製の専用金具もあって足場板をくくりつける大きなひっかけ金具のようなものもありましたが・・・あまり信用できない代物でした。そのくせ古い建物というのは軒庇が60~90ぐらい飛び出している作りが多かった。今では敷地ギリギリまで有効活用して居住スペースを設けようとしている建物が多いですが本来は出来るだけ壁に雨水が当たらないように考えてあるためです。
庇が長く突き出している家というのは今のデザインを見慣れてしまっていると野暮ったい感じがしますが雨に当たらない外壁が長持ちするのは間違いがないです。奈良、京都の木造建築が現在まで残っているのもこれが一番の理由だと思います。
・・・ですがそんな建物に丸太足場をかけるとなるとかなり面倒。ベストは内外に組む形にして足場板を流せるようにするのが良いのですがそこまでやろうというペンキ屋はそんなにいなかった。所詮は「自分達しか使わない」「塗替用」の足場なのです。昔の鳶さん達に言わせると「ペンキ足場」でしかありません。これが昔の丸太足場の「アブナイ」最大の原因です。自分達も前回のガン屋さんみたいに他人様が乗るのはリスクが大きい事は重々承知していたわけなんですね。
壁から仕事に都合の良い距離に立柱を立てて上に向かって横に何段も丸太を組んでいくと軒裏の下辺りで立て柱が足りなくなります。ちょうど頭の上になる軒裏を塗るのは楽勝ですが、雨樋がとりついている部分の「鼻隠し」や切り妻の「破風板」はその外側となり、体を乗り出しての作業になるので要注意になります。前述の様にそれより上の部分の立て柱は継ぎ足しになるわけで、そもそも怪しい・・・(^_^;ギシギシです。
そこでその立柱に腰をかける位置にあえてもう一段組んで腰掛けて塗る形にし、その上部に組む分は飛散防止ネット(これは当時から使っていました)用のものと考えてあまり信用しなかったです。

かといって建物が高ければその上にもう一段が必要になることも当然有り、これはかなり怖い。

おっかなびっくり掴まっているとカラスが「バサバサー」っとやってきて目の前にとまった事がありました。それこそ目玉の10㎝前にくちばしの先っぽがある。カラスって、目の前にいるとデカイですよ~(^_^;)60㎝ぐらいあったかな・・その辺りのボスだったんですかね?
「なんだお前?」って顔をして僕を見つめコクリと首をかしげる。
こっちは片手に材料バケツ。片手に刷毛。三角形の破風板の一番塗りにくいところをやろうと海老反りになっていたので身動きがとれない。
黒いくちばしがパクッと開くと「カァーッツ!」と鳴いた。
カラスなんだからそりゃそうだろと思うでしょうが、耳元でカラスの鳴き声を聞いた方はあまりいらっしゃらないかもしれない・・・。
すごいですよあの音量は(^◇^;)半端じゃありません。
電柱の上で鳴いてあのうるささですからね。それを耳元で。

飛び上がりそうにりましたが、幸いにも丸太に頭をぶつけてその場に踏みとどまりました。

地上高6メートルのピンチです。
「どうしよう?どうしよう?叫び返すか?・・・刷毛でつつくか?」
短い時間でしたが心の中でシミュレーションを繰り返す。
どう考えても当方が非常に不利。うかつに刺激すると目をやられるか、この現場にいる間中攻撃されるかもしれません。彼らはかなり頭が良いらしい・・・なので・・・無視することにしました。
何ごともなかったかのように刷毛を動かして無視。
(頼む・・・あっちいって。お願い(T-T))
と一心不乱に祈ったおかげか、30秒ほど変な事をしてる人間を観察した後、興味をなくしたかのように黒い羽を羽ばたかせて彼は飛んでいってくれました。こんな情けない思いをしたのも不安定な丸太足場の鼻先にいたからです。

そういえば先代の親父が丸太足場から落ちたのもこの鼻先からでした。
え?東日本大震災の時ではありません。それよりも十数年前のこと。この丸太足場が原因です。その足場を組んだのも親父なんですが・・・とにかくおっちょこちょいというか、せっかちな人だったので当社で一番よく怪我をしてましたね。一度軽く紹介した気がしますが、その時の話を次回していきたいと思います。
重ね重ねですが・・・当社では20年ほど前から丸太足場を廃止していますのでどうぞご安心ください。


一覧ページに戻る