公園遊具塗装よもやま話 3

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。

府中市はもちろん、調布、狛江市、小金井市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

後年では冬に施工することが多かった公園の遊具塗装。
僕の記憶が正しければ、今から三十数年前に施工した年は夏の真っ盛りに行われました。
前回申し上げましたようにその頃というのはゲートボールが大人気。
少し敷地が広い公園にはご近所の老人会の方々がチームを立ち上げており、我々が八時頃から作業開始する頃にはゲートボールプレイヤーの皆様も三々五々に集まってグランドの整備などをはじめておりました。
朝のうちはまだいいんです。日差しも柔らかですからね。ところが日が高く昇るにつれジリジリと気温が上がっていく。

「今日も暑くなるなぁ・・・(^_^;)」
「ウーンしんどくなるねぇ・・・」

噴き出る汗を拭いながら『滑り台』の錆をガリガリと落とす。
もうすでにプレイ開始のゲートボーラーのみなさんは審判さんのかけ声にあわせキビキビと動き回っています。
まだ若かった頃なのですが十時の休憩を挟んで昼に近づくころにはもうフラフラになるほどの気温上昇。

「ダメだ~もう死む~(>_<)」
「限界だ~(T_T)・・・暑すぎるよ今日は!」
「少し早めにご飯にしてさ、長めに昼休みとって・・・夕方残業しようぜ!」
「それだ・・その作戦に賛成し・・・」

振り向いた私の視線の先に飛び込んできたのは、相棒の背後。陽炎立つ公園の大地にすっくと立った十人のゲートボーラー。
『心頭滅却すれば火もまた涼し』を体現するその姿は脱水症状でかすんだ私の目には逃げ水に乗ったブッダのように輝いて見えたのでした。

「すっげぇなぁ(*_*)」
「うーん(^^;) 戦前生まれのしたたかさというべきか・・・」

グランドは公園の真ん中。当然日影なんかありません。しかしゼッケンを付けたプレイヤー達は夏の日差しをものともせずコツンコツンとボールを叩いています。
この地域は特にゲートボールが盛んなのか交代チームが木陰に待機していて弁当を食べていましたが、こちらの方もあまり暑さを感じないのか和気藹々と漬物などをお互いに勧めたりお握りを頬張っている・・・まさに超人軍団。

「・・・もう少しがんぼろうかね(^^;) 俺らも」
「ウン。そうだな(-_-;)」

『なるほど。この人達が今の日本を作ったんだなぁ』と、先人の偉大さをあらためて感じたのでした。
ところが昼食さえ交代制でとっていた偉人達の動きが午後一時を過ぎる頃にピタリと止まり、いそいそと後片付けをはじめるではありませんか。無尽蔵と思われたスタミナもさすがに切れたのかなぁと逆に少しほっとしながら・・・

「今日はおしまいですか?ご苦労様でした(^^)」

持ち前の図々しさで声を掛ける。

「なぁに・・・道楽だからね(^o^) ペンキ屋さんとは違うわ。楽しい事に苦労はないさね」
「いやぁ皆さんお元気です(^_^) あやかりたい」
「いやいや、そんなことはないよ(^_^) 俺らこれからみんな病院行くんだから

「へ (?_?)」

「俺は高血圧(^-^)」
「オレは糖尿(^_^)」
「腰が痛くて・・・」
「目がかすんで(^-^)」
「うんうん。オレは肩が上がらんのよ。五十肩?」
「お前もう七十になるだろ~(~o~) はっはは」
「とまぁこんな感じさね。(^_-)さぁ早う行かんと」
「耳鼻科は混むからなぁ(=_=)・・・・」

あっけにとられている僕らを残して去って行く昭和前期の偉人達。
こうして午後は病院。

翌朝は『コツンコツン』

『病院行く必要あるんか』って不思議でしょうがなかったが、最近ちょっと分かってきた。
人間の五感。熱を感じるセンサーも衰えるって事。
近頃、熱中症に気を付けるように心がけています。

それでもやっぱりあの頃のお年寄りは元気だったなぁ・・・頑張らないといけません。


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