公園遊具塗装よもやま話 6

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、拝島市、三鷹市、八王子市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

 

毎日の決まり事、習慣。ルーティーンについて前回はちょっとお話しいたしました。
これをうっかり忘れちゃった・・・といった程度ですむ人は比較的寛容というかこだわりの中でも軽めな方かなと感じます。
しかし世の中にはこれだけは絶対に譲れないというルーティーンを持っている人がいるんだなぁとつくづく思った事があります。
あれはもう二十年以上前のことになりますが、まだまだ寒い日の続く早春の頃だったと思います。
私一人で一つの公園を担当して塗装していたときのことです。
公園の規模はそれほど大きいものではなく、ブランコ一基、三連鉄棒、滑り台が一基、ベンチが一つ。
そして人造大理石の水飲み場が一つ。
府中市の公園は公衆トイレが併設されているところが比較的多いのですが,それはやはりちょっと大きめの公園となり、このクラスの広さの公園の場合にはありません。
しかし小規模の公園でも水道が引かれて水を飲んだり手を洗うことが出来る事が多かったですね。
これは仕事をする立場でも大いに助かりますし、トイレ自体は塗装の範囲に入っていない場合がほとんどだったので園内にある時はやっぱり安心します。
該当の公園にない場合は近隣の公園や文化センター、テニスコートなどに併設されているトイレを利用しました。
ちょっと距離がある場合には折り畳み自転車を車に積んで持っていく事もあります。
これは現在の戸建の塗替工事などでも同様ですが,近頃はコンビニエンスストアのトイレを気軽に借りられるようになったのでまさしく便利になりました。
もちろん休憩のお茶やお弁当はそちらで買うようにしています。

さてさて、話を戻して若かりし日の僕がせっせとバリケードを張り巡らしてケレン作業を始めた施工開始日。
夕焼け空があかね色に染まった頃、白髪のお祖父ちゃんが一匹の柴犬と共にやってきました。

「お?(@_@)  なんだ!なんだ!どうなっとる?」
「あ、こんにちは(^_^) すみませんがあそこの立て看板でお知らせしていたように、今日からこの公園は塗装工事が始まってまして・・・申し訳ありませんがしばらく利用出来ないんですよ」
「ほ~(*_*)  そうか、そうかそういえばそんなことが書いてあったなぁ・・・」
「ハイ。どうもすみません<(_ _)>」
「いやいや、大丈夫。気にしなくていいよ・・・ワシはあのベンチでちょこっと座れればいいんだ。遊ぶわけじゃないから(^o^)」
え?(^^;) いやいや・・・ベンチも塗るんで。座れないですよ」
「(*_*) え、座れないの?困ったなそれは・・・ワシは一日の終わりにここに来てこのベンチに座ってビールを飲むのが一番の楽しみでね」
「そうなんですか・・申し訳ないですね(^^;) しばらくは我慢していただく事になりますねぇ」
「うーん(=_=) それは困ったなぁ・・・」

人なつこそうなワンコが興味津々でバリケードの匂いをクンクン嗅いでいます。
またどこかで他の犬のオシッコをかけられたのかもしれません。

「うーん(=_=) ビールがなぁ・・・ここでこれを飲まないわけにはいかないんじゃが・・・」

おじいさんは犬のリードを持つ手の反対側のポケットからビール缶を取り出しました。

「こいつをここで飲むのがワシの決まりなんで。お兄さんここ通してくれんかね?(^^)

そう言いながらも手はすでにバリケードにかかっているのでした


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