公園遊具塗装よもやま話 7

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、調布市、小金井市、立川市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

 

ビール片手に『ここを通せ』と迫るおじいさん。

「これじゃよ。これ。ワシはキリンしか飲まないの(^^)」
最初のうちは『絡み系』アル中の人だったりするのかと疑って表情をうかがっていたのですが白髪がちょこんと載った丸顔は満面の笑み。人の良さそうな方でした。

目の前に突き出したビール缶も飲みきりサイズというのでしょうか,135mlの缶。

「あら、ずいぶん小さい缶ですね」
「ウンウン。量はいらないんじゃ(^^) これくらいがちょうどいい。ウチにいっぱい買ってあるこれの一本をポケットに入れて。ここまでこいつと歩いて・・ちょっとだけ汗かいて・・・こいつと一緒にビールを飲むのが何よりの楽しみなんだが・・(‘_’)」
「ウーン。あのベンチさっきサンダー当てちゃったから、木くずだらけで座れないんですよ・・(^_^;)」
「いや、多少汚れてもワシはいっこうにかまわん。お兄さん、頼むよ~」
「そんなわけにはいきませんよ~(^^;)」
「是非!是非!(>_<)」

なぜにそこまでこだわるのか正直理解不能ですが、どうしても引き下がらない。
柴も座り込んで御主人が動かなければ僕も動かんと言いたげに長期戦に備えているような塩梅。

「しょうがないな~(-_-;) ちょっと待っててください」

僕は車から室内で仕事する時用の綺麗な布シートを引っ張り出してくると、バリケードを乗り越えてベンチに近づきシートで包みました。

「さぁどうぞ(–;) ・・でも今日だけですよ、明日から来週まではこのベンチには座れませんからね」

バリケードの一部を崩すとおじいさんは満面の笑み。

「おー(^o^) お兄さん優しいのう!ありがとう!」
「ワン!」

ワンコも嬉しそうに尻尾を振って主人のあとを追い、ベンチに座った御主人の足元に座る・・確かになれている感じで動きに無駄がない。
その頭とポンポンと撫で、ミニサイズ缶をプシュッとあける。
コクッと喉が鳴って

かぁ~ウマイねぇ~(^o^) 今日も一日頑張った!」
よかったですね(^^;) でも、明日から三日間ぐらいはベンチ座れませんよ」
「おう?(*_*) そうなんか?!」
「さっきも言ったでしょ(^_^;) 意地悪じゃなくてね、仕事なんだからしょうがないのよ」
「このベンチも何かするの?(^_-)?」
塗ります(^_^;) 三回塗りするからね・・」
「ふーん(@_@) わかった」
「お願いしますよ(^_^;)」
「わかった!わかった!・・・ウマイねぇ(~o~)」
そうして小さな缶ビールをちびりちびりと飲み干すと

「いやあ。悪かったね。満足!満足!」

思いのほかあっさりと立ち上がる飼い主と愛犬は、ふらりふらりと去って行ったのでした。

「ウーン。なかなか良い老後かもしれないな(^^;) あっと!こんなことしてる場合じゃないや」

まだまだ日の短い季節。いよいよ傾いた夕日が綺麗だったことを覚えています。


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