公園遊具塗装よもやま話 8

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、町田市、日野市、国分寺市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

さてその翌日。この日はいよいよ塗り込みに入ります。
まずは錆止め.それから忘れてはいけないのが木部の下塗りです。
徐々に暖かくなってきたとはいえ夜になればまだまだ冷え込む季節です。夜になるとベンチの木部に夜露が降りて艶が消えてしまいます。
最も今ではウレタン塗料が主流になっているので夜露が付く前に乾燥、硬化する様になってきているのでその心配はありません。
ところが公的な工事ですと新しい材料の認可に時間がかかるため一昔前のいわゆる一般的な油性塗料(合成樹脂)が使用材料に指定されている事が多いのです。
これらの塗料はあまり遅い時間に塗ると夜露にやられます。

下塗りや中塗りの場合はそれほど神経質になる必要もないのですが、施工当日の朝に降りていた夜露が乾燥するのを待ったりするので実際には午後一番に塗装する事が多かったですね。
夕方間際ではなく余裕を持ってベンチの木部に下塗りを、脚の部分に錆止めを塗っておいてからまた遊具にとりつくというパターンでした。
ケレン作業に比べると刷毛を持って行う塗り込みは手慣れている事もあってスイスイ進みます。

「もうこんな時間か・・・やれやれ、なんとか錆止め終わりそうだな(^^)」
「ワン!」
「あれ(^_^;)?」
「ワン!ワン!」

振り返るとやはり昨日のおじいさんとペット御一行。

「ややや(*_*) まだ工事してる!」
「してますよ(^_^;)! 言ったでしょ!明日から四日間はダメって~!」
「そうだっけ(?_?)」
「言いました(-_-;) 間違いなく言いました」
「でも、(^_^) ワシはあのベンチでちょこっと座れればいいんだ。遊ぶわけじゃないから」
「昨日も聞きましたよ(^_^;) ビール飲むんでしょ?」
「言ったっけ(@_@)?」
「キリンでしょ?(^^;)」
「ほほう・・・お兄さんわかっとるねぇ(^o^) じゃあいいかな?」
「ダメです(=_=) もう塗ちゃいました」
「(*_*)ダメ?」
「(-_-;) ダメです。あきらめて下さい・・・」
「・・・ワシは一日の終わりにここに来てこのベンチに座ってビールを飲むのが一番の楽しみでね(T_T)」
「それもうかがいましたが・・・今回はもう物理的にダメなんです<(_ _)> ゴメンなさい」
「ほー(/_;) そうか・・・そうか」

途方に暮れる老人を心配そうに見つめる愛犬。僕は御主人をいじめてるわけじゃないんだよ・・・(^^;)

「水飲み場はどうかな(@_@)!あそこには柵がしてないみたいだが」
「あそこは、塗らないから誰でも水が使える様にしています」
「そうかそうか(^o^) じゃあ座ってもいいな」
「え?あそこに座る(^^;)? ちょっと座れる高さじゃないですよ?」
「大丈夫、下の手洗いの縁のところなら低い(^^)」

そう言いながら水飲み場に近づくといわゆる噴水のような蛇口の部分ではなく下の手洗いの水受けの縁・・わずか10㎝程の高さの部分に『よいしょ』っと腰を下ろしてしまいました。
腰を下ろすと言うよりは『パッと見』には地面に直接座り込んでいるように見え,
目線はパートナーの柴犬とほぼ一緒。犬は喜んで尻を振っていますが、知らない人が見たら突然座り込んでしまった主人を気遣っている忠犬のようです。その御主人様はというと・・・

プシッ!
「かぁ~ウマイねぇ(^O^)」

ここまで徹底するのはちょっとあきれを通り越して感心してしまいます。

「さてさて・・・今日も一日頑張った!(^_^) よいしょ!」

愛犬に引っ張られる格好で立ち上がるその姿。ズボンは当然土埃まみれ・・・

「どうもどうも(^o^) お騒がせしました!」
「御主人、今週中は工事終わらないから(^_^;) 別の場所でご休憩なさった方がよろしいかと・・・」
「うん?まだ終わらないんだ(?_?) 色が変わってるけど・・」
「あと二回塗るから(^^;)」
「そうか(^o^) わかった!あはは」
「来ても、座れないよ~!(^^;)」
「ははは! わかった!わかった!(^_^)/~」

本当にわかってるのかな~(^^;)
夕闇に消えていく二人の姿を見送る私でした。


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