公園遊具塗装よもやま話 9

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、調布市、狛江市、小平市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

さあ、今日からは中塗です。前日に塗り込んだベンチを確認するとうっすらと夜露が降りていました。
「やはりベンチは先に塗らないとダメだな・・・」
おじいさんの後ろ姿を思い出しながら、独りごちました。
上塗りは色の塗り分けがあるのでちょっと手間です、実際の話三回塗りといっても遊具によく使われる彩度の高い赤や黄色、オレンジなどは一回塗っただけでは下地が透けてしまいます。
「三回塗ったからOKでしょ?」
というわけにはまいりません。そんなときは
もう一度上塗りを行う必要があります。
また、公園遊具というのはカラフルに仕上げるように指導されていて、例えばジャングルジムなど縦の棒は赤、横の棒は青と色替えをする必要があるのです。
色を塗り分ける場合は隣り合う色の片方を先に塗装して乾燥させなければなりません。
その塗分けが複雑な場合、倍の時間がかかることが多いです。
ちょっと面白いなと思うことは、夏場に遊具を塗ると羽虫が寄ってきてくっつくのは黄色でしたね。どうしてなのかはわからないですが・・・昆虫の視覚は我々とはちょっと違うと聞きますから黄色はかれらにとって魅力的なのかもしれませんね(^^)
上塗りに手間がかかるのならその分錆止め、下塗り、中塗は頑張って素早く終わらせなければなりません。

ちなみに当社の場合は下塗りを二色用意してこれも大雑把ではありますが塗り分けを行っていました。
昔から、『上塗りがわからないときはとりあえずピンクを塗れ』という言葉があると親父が言ってましたが、これは一般的な建築で使われるやや濁りが入った色の事。
純白だったりしたらやはり下塗りも白がいいですし、先程申し上げた彩度が高くて下地が見えやすい色も白い中塗りでキッチリ仕上げておかないといけません。

中塗にムラがあるとそのまま上塗りにでます(^_^;)
ですから昨日よりやるべき事が多い。
朝からせわしなくわさわさと動き回って昼休み返上でどうにかあと一息といったところまで追い込んだ頃には日が傾いていました。
すると・・・

「ワン!」

来たか・・・(=_=)

「ややや(*_*) やっぱりまだ工事してる!」

もはやおなじみの丸顔。右手に愛犬のリード。
また会ったねというかのように、にこやかに尾を振る柴犬。

「してますよ(-_-) もちろんね・・・」
「ウーン・・・ワシはここで・・・」
「キリンの缶ビールを飲むのがなによりも楽しみだそうで(^_-)」
「おやおや。兄さんよく覚えてるな~(^o^) ははは」
「いえいえ。どういたしまして・・でもベンチはまだ座れないですよ」
「ありゃ(@_@) また塗ったのかい!」
「だから~ここはしばらく工事中だって言ってるじゃないですか(^_^;)」
「ウーン(-_-;) 仕方ない。またあそこで飲むとするか・・」

そうです、この公園のベンチで小さな缶ビールを傾けるのがこのおじいさんの一日の大切な日課なのです。
これはどうしても譲れない決まり事らしい。
彼の言う「あそこ」というのは、この公園で唯一バリケードが囲んでいない人造大理石でできた水飲み場の手洗い場・・・の縁。
昨日は高さ10㎝程のその部分に止める間もなくしゃがみ込んでしまったのです。

「ちょっと待った!(=_=)/」
「うん?(*_*) あそこも塗ったのかね?」
「いやいや(^_^) そうじゃありません!」

呼び止めながら私は車に向かうと荷台をゴソゴソ探り・・・

「ほら(^o^) 今日からここがあなたの指定席!

二度あることは三度ある。
こんなこともあろうかと会社からパイプ椅子を一脚積んできたのです。

 

「さあさあ!どうぞ気の済むまでお座りください!(^-^)」

開いたパイプ椅子の座面をポンポンと叩いておじいさんの目の前に差し出しました。

(@_@) ワシのために用意してくれたんか!豪気だなぁ・・」
「豪気かどうかはわからんけど(^_^) きっとまたくると思ってね。ははは」
「じゃあ早速、使わせてもらおう(^o^) どっこいしょ! あ~いいねぇ(^_^) 極 楽だ」
「ワン!ワン!^o^!」

御主人が笑うとワンコも嬉しそう。
その頭をポンポンと撫でながらおもむろにポケットから缶ビールを取り出すと
プシュ!ゴクリ

「か~っ(^O^) ウマイねぇ」
「それはよかった(^_^) ふふふ」

「あはは(^o^) 今日も頑張った!」


一覧ページに戻る