東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
町田市、日野市、あきるの市、西東京市など東京多摩地域を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。
さて、鉄筋がむき出しになってしまった爆裂部分。
具体的にはどの様に補修を行っていくのでしょうか。
磁器タイルの建物補修のブログにて紹介しているのと同様に、塗装仕上げの鉄筋モルタル建物の場合にも目視、打診検査を行います。
具体的に打診検査とはどんな物かといいますと、スイカの中身を調べたり、お医者さんが診察の際に指でトントンと胸を叩く行為にちょっと似ています。
つまり、音で判断するわけです。
使用するのは、棒の先に小さな鉄球の付いた検査棒、あるいはテストハンマーと呼ばれる細身の金槌のような道具。
それを軽く壁面にあてながら、表面をコロコロとなでていきます。
基礎のコンクリートと表層面の仕上げモルタルの間に浮きがあったり、基礎コンクリート自体に爆裂部があると音が「カラカラ」と甲高いものに変わります。
この、塗装仕上げのモルタルの浮きにつきましては後日また細かく説明させていただくとして、爆裂部分の場合は、すでにモルタルが欠損しているか、浮き上がった状態のことが多いので、目視の時点でもかなりわかります。更に打診検査の際、浮きの周辺に亀裂が入っている場合などはテストハンマーの先端部で軽く叩くと、「ポロリ」とモルタルが欠けてくる事が多いです。
このようにして潜在的な爆裂部分を含め建物全体の検査を完了後、欠落しそうなモルタルを撤去する事から、補修が始まります。
すでに欠落している部分であってもその周囲に脆弱な部分がある事が多いので、前述のテストハンマーなどで叩いて落します。
モルタル撤去後、ワイヤーブラシなどで丁寧に表面を清掃し、露出した鉄筋に発生した錆なども除去します。
鉄筋部分にエポキシ系錆止め材を塗布します。
この後、エポキシの材料をこの上に塗布していくことになるため同じエポキシ系列の錆止めである事が重要です。
その後完全硬化を待ちます。
錆止めの硬化完了後、エポキシ系のプライマーを塗布します。
当社の使用するアサヒボンド工業(株)の製品では、「アサヒボンド500P」、あるいは接着力を高める必要がある場合には「アサヒボンド576」を利用します。
共にA液B液二種類の材料を混合して使うのですが見た目の感覚でいいますと前者は液体、後者はゼリー状のプライマーで接着剤により近い型状です。
これらの塗布後、既調合エポキシ樹脂モルタル「アサヒボンドBE2」を充填、コテなどを利用し平滑にならします。
この「アサヒボンドBE2」は粘土状の主材、硬化剤を2:1でよくこねて使用する硬化型のエポキシ樹脂に中空の「バルーン」と呼ばれる(ガラス質微小中空球体)を組み合わせたもので、名前は「モルタル」ですが、実際にはまったく別のものといっても差し支えありません。どちらかといえば粘土に近いイメージです。
樹脂に混ぜ込まれた「バルーン」は堅い砂粒のようですが内部が文字通りからっぽなのでとても軽いです。
この樹脂モルタルは硬化しますと、とても堅くなり壁への密着力も高く、更に透水性が低いため表面から浅い位置にある鉄筋も錆から守ることが出来ます。
このようにして爆裂部の補修が終わった後、廻りの壁に合わせてパターン復旧を行いますが、最近ではご近所への配慮から吹付作業を行うことはめったになくなりました。
パターンローラーで表面を荒らし「さざ波模様」でパターン復旧の形で塗装を行います。
多少の違和感は生じますが、パターン出しを見きりのよい部分まで行なうことにより最小限の差異にとどめることが出来ます。