東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。府中市はもちろん、八王子市、調布市、国立市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。
前回は、DIYで行う塗装道具について刷毛を中心にお話ししました。
今回はそれと並んで最もよく使われるローラーについて話していこうと思います。
私が「見習い」で始めた時代ではローラーというのは大きな径のものしかなく、塗装の際にも泡立ちが起きる様な代物だったため使用する事は機会は少なかったですね。
主に内部の天井や、壁面の艶消し塗料を塗る場合にしか使わなかったです。厳しい現場ですと、屋根のトタンの塗替でもローラーの使用を禁止されていたぐらいでした。
親父に言わせるとローラーの登場前は水性塗料も刷毛で塗っていたそうです。
当時、油性の塗料などは「寸胴」と呼ばれる大きな刷毛を使って塗ります。毛先が握りこぶしぐらいある大きなもので、これをピュピュウと操って塗る。
これの刷毛使いが肝心で、逆に言えばそれを見れば年期が分かります。玄関扉も鉄扉もこれで塗りましたし下見板も塗りました。
内部の扉も当時はオイルステンで着色し、ニスを刷毛で塗っていたのです。塗料の粘度が上がる前に平均的に塗料を塗布、ムラを切ったのち一枚扉の上から下まで刷毛目を通す。これがコツです。
言葉で言うと簡単ですが、刷毛の運びはもちろん、毛質、使用する塗料の希釈率なども大きく影響してきますので、数をこなさないと誰もが出来るというものではありません。それが「職人の腕」だったわけです。
それが次第に変わってきたのは塗装用品の研究と開発が進み、「無泡型ローラー」が登場してきたことなどで塗膜面のピンホール対策や膜厚性能が確保されるようになったからです。
ローラー自体も小型化し「ミドル」や「ミニ」と細く軽くなっていきましたし本体が小型化したことにより塗料を浸けるバケットも小型化していきました。
これらはその現場における塗布面積の少ない塗料でも気軽にローラーを利用する事につながりました。
毛質も色々とバリエーションが増えていき長毛の無泡、短毛、ウレタン用、飛散防止タイプなど塗料に対する使い分けも出来るようになり、同調するようにローラー塗装に向いた製品をメーカーも開発、
ニスやクリヤーでさえ「ローラーでも施工が可能になった」製品が登場したときは驚きました。
実際に塗装してみて思うのですが最近の新しい塗装材料などは刷毛で塗るよりもローラーで塗装することを前提に作られているものもある気がします。
ここまで進化してきたのはローラー工法は「職人による仕上がりの差が出にくい」工法だからだと思います。
なにせ昔は刷毛塗りのコツを親父に聞いたら「垂れる前に塗る」としか答えが返ってこなかったぐらいで、あとは親方や兄弟子の手元をみて見てそれを覚えていくいわゆる「見習い」。
そんな刷毛塗りよりも、ローラー塗装は合理的で多少不器用でも技術の習得が早い。
大きな現場で現場監督さんが鉄扉を「短毛の無泡」で仕上げることを希望してくるようになったのは職人の腕まかせの刷毛塗り仕上げより「安定した施工結果」が得られるこの工法の利点が理解されていったからだと思います。
(ローラーは毛の植え方、種類によって泡立ちが抑えられるので現在は短毛のローラーに「無泡」と記述されていることは少なく平滑面用とのみ書かれている場合が多いようです)
その一方で反応硬化型塗料が多くなったため刷毛の使い回しがなかなか出来ず傷むのも早い。必然的に使い捨てタイプの刷毛が多くなり・・刷毛で大きな面積を塗ることは少なくなっていく。
扉の刷毛塗りが出来るような高級刷毛は売れない時代になり、例えば業界では有名な「マルデン」というブランドも消えてしまいました。
今やプロも積極的に使い回す道具。そんなわけで皆さんがちょっとした棚や壁などを塗装するときでも当然のごとくローラーの使用をお勧めいたします。
DIYショップに行くと色々とパッケージに書かれているかと思いますが、「無泡」とうたわれているものは泡立ちがしにくくピンホールの発生を抑えることが出来ます。
毛の長さは「長毛」、「中毛」、「短毛」と有りますが「長毛」はよほどの凸凹面出ない限りはほとんど使いません。一般的には「中毛」で事が足りるでしょう。
平滑面、(例えば扉などですがこのような仕上がりにローラーのパターンを出来るだけ出したくない場合などに「短毛」の無泡ローラーを使用します。
一緒に塗料を浸ける四角いバケツや四角いプラ皿が販売されていますがこれも必要です。お皿の方は塗料をしごく部分がある構造になっていますが、バケツタイプですとしごき網が別売りになっている事が多いのでご注意です。
天井など高所を塗る場合には柄にねじ込んで使う「長柄」があると便利です。
塗装作業そのものはシンプルですので一番大切なのは塗料が周囲に飛散しやすいので養生などの下準備ですね。
プロの技に近づくには塗装の前にパテ処理など下処理をやっておくと完璧です。
この説明もするつもりだったのですが・・・ローラーの話が思ったより長くなってしまいました(^_^;
次回は実際の塗装作業のコツなど順を追って説明したいと思います。