平成の米騒動 4

東京都府中市の外壁塗装、塗り替え業者、有限会社不二塗装です。
府中市はもちろん、立川市、国立市、小金井市など東京都多摩地区を中心に塗り替え、リフォーム施工を行っております。

平成の米不足騒動の間ずっと通っていた新築マンション現場で仕出し弁当屋(朝、希望者が注文をとる)のご飯をよく見てみると見慣れたご飯粒の中に縦長の粒が混じっている。

「おお(@_@) これが噂のタイ米!どれどれ..モグモグ(=_=) ふーん」

可もなく、不可もないような・・あるような・・・。あえて贅沢を承知で言わせていただければあまりおいしくはなかった。
この新築現場の入場ゲート脇に、古い店構えのお米屋さんがあったんです。
ここにお米を求めてたくさんのお客さんが来ているのが足場の上からでも良く見えて、地声が大きいのか米屋の御主人の声がよく響く。

「いやいやだからね、これを買うにはこのお米も一緒に買ってもらうことになってるの・・・ウンウン決まりだからね。いらない? いやそんなこと言われてもね、決まりになってるから。そうですよ。皆さんそうしてます」
「いやいや、いらないからその分安くしろと言われてもね・・・(^_^;)」

ほとんど毎回このやり取りが聞こえてきました。
それから二、三日するとさすがに押し問答にうんざりしちゃったのか、

「うん。ウチはね、もう混ぜてあるの。タイ米。それでよければお買い上げください」

なんとプレミックスしちゃったみたい。売る前から混ぜておいて、それを買ってもらう方式に変えたようでした。
改めて考えるとこれって結構大胆というかすごいですよね(^_^;) それだけお米の在庫が少なかったんでしょう。
角の自動販売機にお茶を買いに行くと米屋の旦那が疲れ果てた表情で立っていました。

「なんか・・色々たいへんみたいですね(^_^;)」
「そうなんだよ(^0^;) ウチだって好きで子のタイ米仕入れてるわけじゃないんだよね。お上がそうしろって指導してるから・・・」

そうなのです。当時日本国政府が日本米とタイ米のブレンドを推奨し、インディカ米とジャポニカ米とのブレンド米の販売はどこでも行われていたのです。
それでも食べ慣れていないこのお米。寒天と一緒に炊くとおいしくなるという噂が流れて、寒天まで品切れ状態になった。
まあ品種が違うのだから混ぜて食べれば味は落ちますよね。さらに新聞の三面記事に『輸入したタイ米からこんな物が』と、『曲がった錆び釘』やら『ビールの王冠』極めつけはネズミの屍骸が入ってたとか掲載される始末。

「一緒に買って言うと、『そんなものはいらない!』『その分安くしろ』とかさんざん言われるんだよね・・・だからやっぱり政府が言うように混ぜて売るしかないのかなとおもって・・・」
「たいへんですね~」
「最近じゃ米の販売に関する規制がゆるくなって、スーパーなんかでも買えるようになったでしょ?あれにも困ってるけど・・・」

スーパーなどでは価格もかなり抑えて販売されていたようで、お客さんがずいぶん減ってしまったそうです。

「お米がないって騒いでる人達は、普段どっかのスーパーで買ってる人が多いね。それがこの騒動になって慌ててウチに買いにきてるんだわ(^_^;) やっぱりこっちも人間だからね普段から買ってくれる人にはこっそり混ぜない状態で売ってあげようかと思うんだけど、そういう人は不思議と『ブレンド米でもしょうがないよ』って言ってくれたりするんだよね」

うーん。世の中そんなものなのかな・・・と思いましたね。(つづく)


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